
内藤礼
すべて動物は、世界の内にちょうど水の中に水があるように存在している
神奈川県立近代美術館 鎌倉館
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薄暗い展示室内には、
かすかな豆電球でちいさくくるっと囲まれた
布と、
その上に置かれた
折りたたまれた布、
瓶、
小さなひものきれはしや、紙のクラウンやなにかが
広い展示室のなかに
ぽつぽつとある。
直島の『このことを』
あそこは
胎盤の中からかいま見た世界だった気がする。
そしてここは
生まれ出て、はじめに目にした
地上の風景なのかもしれない。
産道を通ってやって来て、
寝かされたおくるみの中からうっすら見えた光のある世界。
花柄の布団に顔を押し付けたまま
いまはまだうす暗がりの中でぼんやりみえているだけで
見えているか、まだ見えていないかの
意識が存在するかしないかの世界の入り口でかすかに見えた、
これから始まる地上での生活。
不安なような、それでもこれから未知の世界に飛び込んでいく期待、
そのいちばんはじまりを見た気がした。
大切な友人と、
最近また連絡を取り合った。
ももよん、写真いいね!
ももよんの色やね。
またアメリカに行きたいね。
白っぽい空と乾いた大地が悪くないなあと思ってた。
絶対行きたくない国やったのに
なんかももよんを思うといとおしくなってくるな。
それからもうひとり
大学の友人の
体と心のケアが出来る、そんな未来の構想が
目に浮かぶようです。
あなたのお店に行きたいよ。
浮世離れした夜の空気の中では
体もゆるんで毛穴も開くし
もう一歩ずつおたがい踏み込んで
心豊かな時間を過ごせたらと思います。
最近、人の縁、をよく思う。
ほそーい線で
大事な人に繋がっている。
連絡するべきときには億劫がらずに
ちゃんと腰据えてゆっくり話そう。