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0円生活という生き方を知る。
『TOKYO 0円ハウス 0円生活』
『独立国家のつくりかた』 
坂口恭平


せんだいメディアテーク「コール アンド レスポンス」展
坂口恭平アーティストトークで
二人目出産立ち会いのためにテレビ電話越しだったサカグチ氏は言い放った。
「おまえらそのでかい建物からはやく出ろ!」
スクリーンに映る、サカグチ氏のカメラ寄りすぎの特大アップ顔
なんやこの大きな声で大きなことを叫ぶ人は。
坂口恭平って。
いや、モバイルハウスの作り方、映像とか、0円ハウス、って本は見かけたことあるけど。




鈴木さんとみっちゃんの二人で暮らす隅田川のブルーシートハウス。
カセットコンロで料理をする場に居合わせたサカグチ氏は
このふたりに、今まで話を聞いて来たひとたちとまた違う豊かな印象を受けたと書いている。
「東京では一円もかけずに暮らせる」との、ほんまでっかなその生活っぷり、
聴かせておくんなまし!

鈴木さんは、
巨大なブルーシートは花火大会で置き去られていたものを転用し
釘は拾って(さすがに釘は買う、という人も多い中、道具箱ごと拾ったこともあるらしい)
電気はガソリンスタンドから自動車用の12ボルトバッテリーをもらってきて(自動車にはゴミだけど生活するのに充分すぎる電気が残ってると)
そして一体どうやって稼いでいるか、というと
アルミ缶拾い
1キロ126円で(取材当時)買い取られ、鈴木さんは週に100キロ(2500個近く)拾うらしい。
なので、月収5万も稼ぐらしい。そして全部だいたい食費雑費少しになるらしい。
年一回のおたのしみ吉野家以外は自炊のようなのでだいぶおいしい食生活だ。
空き缶拾いにサカグチ氏が同行した際も、捨てられた時以上にきれいにして元に戻すことや
ものをもらう時はきちんと対面して「契約」し、
周りの家を作ってあげたり
はたまた、鈴木さんが服を「ある人」からもらうきっかけのエピソードからも
鈴木さんは、自分の持っている知識やできることを無償で提供する。

丹念に観察されたスケッチもおもしろく、
また鈴木さんのアイデアが詰まった家の造りもよくわかる。




都市の中に建築物を建てることに違和感を抱く学生坂口氏は、
多摩川を歩いているときに竹やぶに建つ家と畑と猫に遭遇、
中から出て来たおじさんは自分全部作ったと言う。
20年も住みながら、鉄くずを売り、近所の主婦がたけのこを買って行くのを糧にしている。
サカグチ氏は思った、
ホームレス、ではなくて、これは立派な家じゃないか!
都市にあふれているものを転用、再利用することで家を作り上げる。
そこから寝袋を持ってまずは多摩川全部の路上生活者の家を探求し始め、
卒業論文で、というか、図鑑仕様の卒業写真集が出来上がり、
これまた紆余曲折、果てしない行動力の甲斐あって
『0円ハウス』(リトルモア 2004)が出版されることになった。
しかも海外にも(翻訳者を自分で探して海外の美術館や書店に持って回るとか、実現の内訳も詳細に書いているので色々参考になる!)
そのなかには、
自作の野菜を、近所に住む人からのおかずを物々交換して生活する家もあったり、
座して半畳寝て一畳+40センチで生活、ソーラーパネル(これは秋葉原で一万で買ったらしい)を12ボルトバッテリーに充電する家もあったりする。
家庭用が100ボルトで整備されていることを考えると、この、肌で実感するエネルギーとのつき合い方は地に足がついていて、どこからが過剰なのかを感じることができる。

鈴木さんの夢は
(一時撤去用にある)リヤカーに家を造って(モバイルハウス!)拾う空き缶はどこにでもあるし、日本一周敢行中の垂れ幕を背負って旅すること。
移動に挑戦しつづける人、であれば世間はもうホームレスと呼ばないかもしれない。



私有地ではなく、国有地であれば国のもの、だからみんな川べりに行く。
でも河には河川法という法律があり、

河川法第26条 河川区域内の土地において工作物を新築し、改築し、又は除却しようとする者は、国土交通省令で定めるところにより、河川管理者の許可を受けなければならない。・・・

ただ、これより生存権、
憲法第25条 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。・・・

の方が強い。だから追い出されずに行きて行ける。
川べりに家を建てることは本当は許されていない。
でも、なぜこの豊かな生活が許されず、周りに巨大な建造物が建って行くのか
何か新しい視点はないのか、
と、坂口恭平は考える。
新政府領土拡大計画
気になるワード、新政府については『独立国家のつくりかた』(新政府総理大臣はやめたらしい?)
誰のものでもない土地、持ち主が分からない土地など?を領土としてみんなで使っちゃおうとしていたり
(決して独占しない)http://www.zero-public.com/
多摩川に住んでみたりhttp://www.0yenhouse.com/travel/tamagawa.html
そして、時々写真に写る奥さん、フーさんの、欲望から解き放たれたような
仙女のような雰囲気に釘付けになる。
http://www.0yenhouse.com/house.html
そして新しい本も面白そうだ http://twilog.org/zhtsss
現実脱出論 図書館予約してみたけど、貸出返却待ち、ですな。。。


菜の花群生に日本のエネルギーの未来を感じる一文もあって
(『独立国家の...』)
0円生活にますますの可能性を感じる。



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by t-saekit | 2014-11-08 05:35 | 雑食の本棚