カテゴリ:雑食の本棚( 12 )
0円生活という生き方を知る。
『TOKYO 0円ハウス 0円生活』
『独立国家のつくりかた』 
坂口恭平


せんだいメディアテーク「コール アンド レスポンス」展
坂口恭平アーティストトークで
二人目出産立ち会いのためにテレビ電話越しだったサカグチ氏は言い放った。
「おまえらそのでかい建物からはやく出ろ!」
スクリーンに映る、サカグチ氏のカメラ寄りすぎの特大アップ顔
なんやこの大きな声で大きなことを叫ぶ人は。
坂口恭平って。
いや、モバイルハウスの作り方、映像とか、0円ハウス、って本は見かけたことあるけど。




鈴木さんとみっちゃんの二人で暮らす隅田川のブルーシートハウス。
カセットコンロで料理をする場に居合わせたサカグチ氏は
このふたりに、今まで話を聞いて来たひとたちとまた違う豊かな印象を受けたと書いている。
「東京では一円もかけずに暮らせる」との、ほんまでっかなその生活っぷり、
聴かせておくんなまし!

鈴木さんは、
巨大なブルーシートは花火大会で置き去られていたものを転用し
釘は拾って(さすがに釘は買う、という人も多い中、道具箱ごと拾ったこともあるらしい)
電気はガソリンスタンドから自動車用の12ボルトバッテリーをもらってきて(自動車にはゴミだけど生活するのに充分すぎる電気が残ってると)
そして一体どうやって稼いでいるか、というと
アルミ缶拾い
1キロ126円で(取材当時)買い取られ、鈴木さんは週に100キロ(2500個近く)拾うらしい。
なので、月収5万も稼ぐらしい。そして全部だいたい食費雑費少しになるらしい。
年一回のおたのしみ吉野家以外は自炊のようなのでだいぶおいしい食生活だ。
空き缶拾いにサカグチ氏が同行した際も、捨てられた時以上にきれいにして元に戻すことや
ものをもらう時はきちんと対面して「契約」し、
周りの家を作ってあげたり
はたまた、鈴木さんが服を「ある人」からもらうきっかけのエピソードからも
鈴木さんは、自分の持っている知識やできることを無償で提供する。

丹念に観察されたスケッチもおもしろく、
また鈴木さんのアイデアが詰まった家の造りもよくわかる。




都市の中に建築物を建てることに違和感を抱く学生坂口氏は、
多摩川を歩いているときに竹やぶに建つ家と畑と猫に遭遇、
中から出て来たおじさんは自分全部作ったと言う。
20年も住みながら、鉄くずを売り、近所の主婦がたけのこを買って行くのを糧にしている。
サカグチ氏は思った、
ホームレス、ではなくて、これは立派な家じゃないか!
都市にあふれているものを転用、再利用することで家を作り上げる。
そこから寝袋を持ってまずは多摩川全部の路上生活者の家を探求し始め、
卒業論文で、というか、図鑑仕様の卒業写真集が出来上がり、
これまた紆余曲折、果てしない行動力の甲斐あって
『0円ハウス』(リトルモア 2004)が出版されることになった。
しかも海外にも(翻訳者を自分で探して海外の美術館や書店に持って回るとか、実現の内訳も詳細に書いているので色々参考になる!)
そのなかには、
自作の野菜を、近所に住む人からのおかずを物々交換して生活する家もあったり、
座して半畳寝て一畳+40センチで生活、ソーラーパネル(これは秋葉原で一万で買ったらしい)を12ボルトバッテリーに充電する家もあったりする。
家庭用が100ボルトで整備されていることを考えると、この、肌で実感するエネルギーとのつき合い方は地に足がついていて、どこからが過剰なのかを感じることができる。

鈴木さんの夢は
(一時撤去用にある)リヤカーに家を造って(モバイルハウス!)拾う空き缶はどこにでもあるし、日本一周敢行中の垂れ幕を背負って旅すること。
移動に挑戦しつづける人、であれば世間はもうホームレスと呼ばないかもしれない。



私有地ではなく、国有地であれば国のもの、だからみんな川べりに行く。
でも河には河川法という法律があり、

河川法第26条 河川区域内の土地において工作物を新築し、改築し、又は除却しようとする者は、国土交通省令で定めるところにより、河川管理者の許可を受けなければならない。・・・

ただ、これより生存権、
憲法第25条 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。・・・

の方が強い。だから追い出されずに行きて行ける。
川べりに家を建てることは本当は許されていない。
でも、なぜこの豊かな生活が許されず、周りに巨大な建造物が建って行くのか
何か新しい視点はないのか、
と、坂口恭平は考える。
新政府領土拡大計画
気になるワード、新政府については『独立国家のつくりかた』(新政府総理大臣はやめたらしい?)
誰のものでもない土地、持ち主が分からない土地など?を領土としてみんなで使っちゃおうとしていたり
(決して独占しない)http://www.zero-public.com/
多摩川に住んでみたりhttp://www.0yenhouse.com/travel/tamagawa.html
そして、時々写真に写る奥さん、フーさんの、欲望から解き放たれたような
仙女のような雰囲気に釘付けになる。
http://www.0yenhouse.com/house.html
そして新しい本も面白そうだ http://twilog.org/zhtsss
現実脱出論 図書館予約してみたけど、貸出返却待ち、ですな。。。


菜の花群生に日本のエネルギーの未来を感じる一文もあって
(『独立国家の...』)
0円生活にますますの可能性を感じる。



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by t-saekit | 2014-11-08 05:35 | 雑食の本棚
忘れられた風景
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『忘れられた日本人』 宮本常一

山寺に、紅葉を見に行きました。

高速道路でびゅんびゅん飛ばす脇をふと見やると
うっそうと茂る森。山。
たとえばこんなところでぽいっと降ろされたら
迷子になるどころか
生きて帰れる気がしない。


宮本常一の『忘れられた日本人』
日本全国を歩いて人々の生活を、その身を通して体験し、伝える地道な民俗学者。

対馬、伊奈での調査を終え、佐護へ行く宮本さんに
用事をすませた男たちが、馬に乗せて送ってやるという声を辞退して
じゃあ荷物だけとお願いしひとり山道を歩く。
道を歩くが、二股の細い方が本道だったりして、馬蹄のあとを探りさぐり、
しかも木が覆いかぶさっていて見通しが悪い。
どこかでおおいと呼ぶ声で、ようやく男たちに合流したが、
よぉこんな道、簡単には進めんやろうなどと聞くと
声をたてるのだ
と言う。
歌を歌うのだ
同じ山の中にいるものなら、その声をきくとあれは誰だと分かる
相手も歌い
こちらも声をかけておく
それだけで相手がどの方向へ何をしに行きつつあるかくらいは分かる
行方不明になっても誰かが歌声をきいていれば
どの山中でどうなったかくらいは想像つく
と言う。



そんな
そんな心もとない方法で!
と思うがそれがはるかな大地で生きる方法なんやろうかな
いまよりずーっとずっと敏感な感覚で
この身ひとつで獣道をかき分けて来た
山の景色をながめていると
忘れていた感覚がよみがえるような気がする。


その歌は追分のようで、
宮本さん曰くは、松前追分や江差追分のように抑揚ある洗練されたものではなく
もっと素朴な、馬方節のような追分であるらしい。




遊びもないから
とおくのほうまで
よばいに行く
台所なんかに若い者が寝ているので納戸で寝てる親を起こさないよう
敷居に小便かけると、きしまない。
帯を巻いて転がし、その上を歩くと板の間も音がしない。
娘と男を髪とにおいで見分けて
今とちごうてずろおすなどもしておらんから、、、
なんてその先はおっと。


メシモライというて
5つ、6つくらいのみなしごで
漁船に乗せられて仕事もせんで遊んでればよかった



なんちゅうことを聞けば聞くほど、まるで異国の語りぐさ。
そんな時代を知っている人も、もうどんどんいなくなる。
こういう生活を、高速道路でぴゅんぴゅんワープして
まったく忘れてしまったんやなあと思う。
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by t-saekit | 2011-12-01 13:22 | 雑食の本棚
貝殻の島たち
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海からの贈り物 GIFT FROM THE SEA



自分の中に潜るために
海辺へ。

アン・モロウ・リンドバーグは
妻や母という立場から、ふと、コネティカットの家を抜け出し
フロリダの島のバンガローへやってきて波の音にひたることにする。

静かに波がひいたあとには
人間が普通知らないでいる別の世界が現れてくるから と、美しい貝殻を拾い集めた。
島のように空間で囲むように
たくさんあったうちから一つずつだけ残す。

ほら貝、ツメタ貝、日の出貝、牡蠣、タコブネ、いくつかの貝・・・

ひとりになること、と、ツメタ貝をみながら考える。
自分の内部に力を求める。
それに注ぐ時間を割くことが認められにくいなんて。
ツメタ貝の螺旋をなぞって小さな核心に辿り着く。

日の出貝の
新しい夜明けの光がどちらにも同じように射している。
二つとないものなんてなくて、あるのは二つとない瞬間。

タコブネの繊細な舟に乗って
海図には載っていない海原へ乗り出す。
みたこともない世界で成長しあった成人の、ふたつの孤独が寄り添うこと。
ひとりの女性として。
自分の生活が引き潮になっている時に
生き抜く方法を、と思う。
海の底の神秘の世界が姿を現す。
人間関係の変転、潮の満ち引きの意味を考える。



見つけたアンの人生のかけらには
羅針盤の推測航法や天測航法を学び
航空家の夫と調査飛行に同行していたことや
息子が2歳で誘拐され、殺害されたこともあった
夫に非嫡出子がいたということもあったようで
この静かな海辺で悠久の時を過ごすこの女性の内に、
そんな激しい人生があったのを知ったのは、だいぶあとだった。



海辺に寄せる、もの憂い波。
静かに、ゆったりした無意識の波が偶然に打ち上げた宝物。
こちらから探し求めたりしてはいけないし
掘り返そうなんておもわずに
辛抱して、海からの贈り物を待つ。


その他の本棚は → ブクログ きままな本棚 http://booklog.jp/users/t-saekit
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by t-saekit | 2011-09-16 13:30 | 雑食の本棚
宙にぶらぶら浮かぶもの
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『人のセックスを笑うな』 山崎ナオコーラ

ぶらぶらと垂らした足が下から見えるほど低い空を、小鳥の群れが飛んだ。
生温かいものが、宙に浮かぶことが不思議だった。
-
寂しいから誰かに触りたいなんて、ばかだ。
相手を大切な人に思い、しっかり人間関係を築きながら、愛撫はゆっくり優しく丁寧に、
且つ、エッチに、相手の反応を細かく見ながらやるべき。
-
しかし恋してみると、形に好みなどないことがわかる。
好きになると、その形に心が食い込む。そういうことだ。
オレのファンタジーにぴったりな形がある訳ではない。
そこにある形に、オレの心が食い込むのだ。
あのゆがみ具合がたまらない。忘れられない。
-
べつに愛というのではなく、ただの執着だとも、思う。
燃えている火はいつかは消えるものだ。それゆえに、燃やさずに静かに仲良くはいられないものか、と願う。
しかし、心臓が燃えていないなら、生きていても仕方ない。
恋だとも、愛だとも、名前の付かない、ユリへの愛しさがオレを駆り立てた。
訳もわからず情熱的だった。
-
ユリと代々木公園を、手を繋いで散歩した。
自然は美しいことがあるけれど、美しさには向かっていない。
見上げると、枝が伸び、葉っぱが重なり、見たことのない模様を作っている。
美しいと感じるけれど、枝は美しさに向かって伸びてはいない。
枝は偶然に向かって伸びている。
たまたまそういう形になっている。
偶然を作り出そうとしている。
偶然を多発している。
-
要は側にいたから心がくっ付いたのだ。
体をくっ付けたから。
オレのAカップもない胸の肉をユリがえぐって持って行き、今もどこかでオレの肉をつねっているのだ。
-


小説の、上の文章を読んだら
ユリは、たぶん不細工なほどのアンバランスさを持ってたはずで、
あちこちついた肉のゆがみぐあいや、気まぐれな行動、
けっこうぼさぼさの状態でも、オレはユリを愛する。

わかりやすい美しさ、とか
説明できる性格のそんなとこ、
とか
そういうことではなくて、ただそこにその人がいることで
反応する心と体。

映画では、みるめはぎゅーっとしたくなるし、
ユリは小悪魔っていうかオオアクマやし美人やし
はっきりドキドキできる、切ない恋愛映画。

小説では、
ふさふさの毛から、不気味ににゅうっと出ている鳥の足のなまなましさが、
さわやかな空にぶらぶら浮かぶシーンからいきなり始まるのが
ドキドキよりも、もっと温度が低くて
でもなまあたたかくて、肌をくっつけ合っているような
そしてそこから離れられないような
説明のつかない愛しさを思った。
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by t-saekit | 2010-05-14 00:37 | 雑食の本棚
潮は一日二度満ちてくる


生活費を稼ぐ仕事を一日中やって
僕は疲れていた。自分の仕事はまた一日失われた。
と思ったが、ゆっくりはじめると、
ゆっくり力が戻ってきた。
まさしく潮は一日二度満ちてくる。



チャールズ・レズニコフの詩。
(柴田元幸訳)


24歳から長い間、詩を発表しつつも無視され、
出す詩集は大半が自費出版で、
60代後半でやっとある程度の評価を受けた詩人、と、

ポール・オースターの(まだひきずってるよー)
『空腹の技法』のなかに彼のことが書いてあった。
ポール・オースター誕生以前、に書かれた
「さまざまなひとたちが書いたもの」への思索と研究。
冷静かつ愛情あふれる目線で
チャールズ・レズニコフへまなざしをむける。



同じくレズニコフの詩の中に




この煙った冬の朝――
小枝に埋もれた緑の宝石を蔑むな
それが信号だからといって。


存分に味わえ、橋を渡る人よ
この寒いたそがれに
これら光の蜂の巣を、マンハッタンのビルたちを。


地下鉄のレールたちよ、
地中の鉱石だったとき
君らは幸福について何を知っていたか。
いまは電気の光が君らを照らし出す。




きっとものすごく書くことに正直やったんやろうな。
レズニコフにまだ電気の光が照らされていなかった時、
どういうふうに幸福を想っていたのか、
きっとワタシもいまは地中の鉱石で
幸福について私は今、何を知っているかなあ

生活費をかせぐために
今はひとまず、一日二度満ちてくる潮を繰り返していこう。
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by t-saekit | 2009-07-23 00:07 | 雑食の本棚
ムーン・パレスとアメリカの光の色、乾いた影
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一度だけ行ったアメリカの記憶がよみがえる。
ロスまでの長い長いハイウェイ、砂けぶりの向こうに見える大都市。
ひとけの少ない大きな街とそれよりさらに大きい沙漠。

イラストレーター佐々木悟郎さんの『L.A.』には
ゴローさんがカリフォルニアのデザインスクールに通った、20代はじめの思い出が描かれている。
まぶしい光がパームツリーをかすませる。影が深くない。
うすむらさきと淡いブルーが反射する、カリフォルニアの光の色。
パサディナ、ローズ・ボールの日曜マーケットの帰りに見たパームツリーを、同じように私も
乗せてもらった車の中から見ていた。
あの光の色と同じだと思った。

それからスタバのでかいポピーシード入りレモンマフィンを思い出した。
あれは芳香剤みたいな味でまずかったな。笑。でもこれぞアメリカだわあとなんか思った。


ムーン・パレスを描いている間、ずっとアメリカの空気を思い出していた。
一回、行っただけ、
でもその強い光と乾いた空の感触はずっと体にのこっている。


『船を建てる』
いつまでたってもこの本を俯瞰することはできないけど
いつでもある日急に、アメリカのどこかに、ぽいっとほうり出される。
ムーン・パレスを読んでまた思い出した。
そしてまた読み返す。

モンタナで釣りをしている少年と弟
ロータリーが廻るクジラ解体工場
甘粛省の杏の/フロリダ州の桃の
木の下で、少年と少女は出会う

これらはアシカの物語で
みんなアシカ大王にお願いをする
どうせあのひとが死んじゃって悲しむのだったら
最初から出会わなかったことにして下さい、って、でもなぜか
無いはずの部分が痛む

ジャックとベティが出会ったこと。
ボーイ・ミーツ・ガールの物語。人々が出会うということ。
どこにいてもいつの時代でも少女は少年に、少年は少女に出会う。

「死んじゃったらもう会えない でも
100年経ったらだれもいないわ
だからいつかどこかでまた会えるわ」と、

乗り合わせた船、それははるかに大きな宇宙船地球号、みたいなもので、
偶然に出会って、ひととき同じ時間を共有して、
そしてまた旅立っていく。
日常が交錯する瞬間、一時、同じ場所を目指したものたち。
大きな船の中で生まれて出会って死んでいく
それは悲しいことではなくて出来事はただ淡々と行われていて、
からっと乾いた風に乗って、ずんずん進んでいく旅。

そんなことを
あのアメリカの、大きすぎる大陸と、湿り気のない無情のような大地に立ったことを、
思い出していました。
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by t-saekit | 2009-07-18 19:45 | 雑食の本棚
クールな幻想文学
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本日の本読みー『ナイフ投げ師』の中の「新自動人形劇場」
スティーブン・ミルハウザー

スティーブン・ミルハウザーは、からりとしている。
というより、いまのところ(かなり偏りのあるすくない読書量の中で)
ブローティガンとか、アメリカ文学はとても荒涼とした印象がある。

しめり気たっぷりな幻想文学ではなく
自動人形や遊園地やペニーアーケードのなかを
近所のスーパーマーケットのように描く。

あんまりにもそこにあるように書くので
ほんとにそんなモノがあると思って、あぶねえ、信じるとこじゃったわい!


マーティン・ドレスラーの夢でも
ミルハウザーは、夢のような巨大で奇怪な美しいホテルを建てて
そこに住んでいたのだろうなあ。
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by t-saekit | 2008-08-23 22:30 | 雑食の本棚
In
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展覧会作業でずっとずっと「out」する作業をし続けていたので
どうやらかすかすになっていたらしく、
えいやあ・・・と制作作業に向かおうとするも腰がくだけ、どうやらわたくしぼろ雑巾の模様。
先週からようやく図書館に行くことが出来た、ら。どうやら「それ」やったらしく
乾いたスポンジの私に本はまるで新鮮なお水。ぐいんぐいん吸い込んでいて、
いま、ぜんぜんとまりまへん。(でもキホン、ヘタレなのでやっぱりときどき断念してたり)

いまさらながら『ノルウェイの森』。先週上巻を読んでしまったので、はよう下をくれ!と
ばかりに、まだ読んでない本あるというのに今日もせっせと借りに行く。

と、今日のゆっくりタイムはカレーとともに過ごしていたのですが
このカレー、かぼちゃとえのきとキャベツ。
ええ、世に「野菜カレー」というメニュー名があってよかったですよ・・・
でも実はなかなかいける。えのきは香ばしいし(日にちたつと妖しく香ばしい香りがね・・・)
キャベツはとろとろと甘く、
かぼちゃなんかもう、恥ずかしくなるくらいカレーと愛し合ってます。染み出してます。

『西荻窪キネマ銀光座』角田光代のけだるく少々ゆがんだ目線(ニヤリ)によって
チョイスされてしまった映画たちひとつひとつに、まんが家の三好銀がインスピレーションを受けてショートストーリーを描く。これがものすごく秀逸☆★@#%*+!!!!
ことばになってませんね、ははは。
けだるい昼下がり、食べるようにエロも存在する日常、ときどき不安、あれ?とかああそうか、とか
夢のようなつぎはぎが腑に落ちる現実。
南Q太とかジョルジュ・デ・キリコとかつげ義春とか高野文子とか(ほとんど漫画家やんけ)
一気に思い出して、でもどれでもない、とてつもなくリアルな超現実。

ああ〜まだまだ読みたい!のでこれからお風呂に入ってあとは寝るまで
ゆっくりよもうっと。
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by t-saekit | 2008-05-11 23:46 | 雑食の本棚
フランスの伝統色。
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佛和色名辞典 山田夏子 Universite de la Mode 昭和51年(1976年)

「DICカラーガイド フランスの伝統色」の元になった本のよう。

麻まじりのコットンのような(?)布張りの装丁。
落ち着いた静かなラベンダー色の表紙が、
中の鮮やかな色たちとの対比で映えている。


それぞれ、ピンキング鋏で切った布がくぼみに貼りつけてあり

Bleu bleuet ”矢車草のブルー”
Vert V e' on e' se ”イタリアの画家ヴェロネーズの緑”
Para ”パラシュート部隊の色”
Blanc Cass e'  ”こわれた白”
(※e' としているのは上にちょぼがついたeです。)


なんていう色名を見ただけでも美しい物語を想像しませんか。

どうやら絶版のようで、口惜しい限りです。
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by t-saekit | 2006-06-25 23:14 | 雑食の本棚
音楽の気象
今日は展覧会開催中ではありましたが、
誰も来ず。よいよい。
そのため、ストーブの火を見ながらぼんやりと過ごしていました。
そうすると、今までばたばたと過ごしていた雑音の世界から
少し音が澄んできて、
音楽がふと、流れてきました。
というより、音楽を聴きたいな、と思わせる、
音階を持ったイメージが湧いてきました。

ということで、ふと、思い出したピアノの本。

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『パリ左岸のピアノ工房』 T・E・カーハート 新潮社

パリ左岸にあるひっそりしたピアノ工房を
ある日訪れてみた筆者のノンフィクション。
そこにはピアノを愛する職人や、
パリのアパルトマンに流れる、かすかなピアノの旋律がありました。

少し前に読んだ本なので、
内容を多少、意訳してしまっているかもしれません。
そしてこの本はカバーを取った時が、またよい!
ひんやりした漆喰の壁を思わせる装丁です。
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by t-saekit | 2006-03-15 02:29 | 雑食の本棚